女性ヴォーカルメタルバンド特集

プロフェッサー目樽ヘヴィメタ

プロフェッサー目樽

私がヘヴィーメタルを聴き始めた頃はメタルと言えば〝男の世界〟だったので女性ヴォーカルのメタルバンドはほとんどいませんでした。最近はメタルの世界にも多くの女性ヴォーカルバンドが増えてきて、むさ苦しかったメタル界隈もずいぶん華やかになりました。

調べてみると思った以上に女性ヴォーカルのメタルバンドは多く、特にデスメタルにおいては男性ヴォーカルのスタイルを真似て歌うという形から女性ヴォーカルならではの歌唱スタイルを確立しているバンドも多く出てきています。そんな中から今回は私の注目する女性ヴォーカルメタルバンドをいくつかご紹介します。

おすすめ女性ヴォーカルメタルバンド特集

In This Moment – Sex Metal Barbie

メタル界のレディ・ガガと呼ぶにふさわしい個性派アーティスト、マリア・ブリンク嬢がヴォーカルのIn This Momentは、女性のセクシーさを前面に出したいわゆる〝エロ格好いい〟バンドスタイルが特徴です。今までは男性目線からのセックスアピールが主体だったメタルを女性側からやるとこうなるということで、美しく刺激的な世界となっております。

by カエレバ

 

ARCH ENEMY – War Eternal

ARCH ENEMYはメタル大国スウェーデンのバンドで、15年程前から女性ヴォーカルでメタルをやっている先駆者的存在です。私は先代女性ヴォーカルのアンジェラ・ゴソウ時代にこのバンドを知ったのですが、アンジェラ嬢の女性を捨てきったパワフルなデスヴォイスを聴いてかなり度肝を抜かれました。

女性をヴォーカルにするなら女性らしさを前面に出すことを考えがちですが、あえて男性的なパワフルさを追求していくバンドの心意気というか、体育会系な雰囲気は二代目女性ヴォーカルのアリッサ嬢にもしっかりと継承されております。しかしヴィジュアル面はかなりアップしたのではないかと思っています。

by カエレバ

 

THE AGONIST – Follow The Crossed Line

一つ前に紹介したARCH ENEMYの現ヴォーカルのアリッサ嬢が元々在籍していたカナダのメタルバンドTHE AGONISTですが、美しき実力派ヴォーカリストが抜けてしまいいったいどうなってしまうんだろうかと思っていたら、ちゃんと可愛い後任ヴォーカルのヴィッキー・ブラサキス嬢が入ったのでおじさんは安心しました。

by カエレバ

 

BUTCHER BABIES – Monsters Ball

現在私が注目しているのが、このBUTCHER BABIESです。珍しい女性ツインヴォーカルスタイルでクリーンからデスヴォイスまで、お互いをカバーし合うことで表現の幅を広げつつ、アメリカンメタルらしいパワフルで洗練されたサウンドで畳み掛けるとてもカッコイイバンドです。ヴォーカル二人のビジュアルもとってもセクシーでキュートです。

by カエレバ

 

iwrestledabearonce – Danger In The Manger

IWABOは何かにつけよく紹介しているバンドですが、ヴォーカルも含めたバンドのテクニックはなかなかのものながら、下品で悪ノリが過ぎる部分もこのバンドの魅力のひとつです。現在のヴォーカルは二代目ですが、このPVでは先代女性ヴォーカルのクリスタ嬢の変幻自在なグロウルからのビヨーク的な独特のクリーンヴォイスは必聴です。

by カエレバ

 

JINJER – Words Of Wisdom

このバンドも私が最近注目しているバンドです。JINJERは、ウクライナ出身のメタルバンドでヴォーカルのタチアナ嬢のパワフルなデスヴォイスで注目を集めています。うまく説明できませんがバンドの醸し出す雰囲気というかグルーヴ感は絶妙で、ボーカルが男性か女性とかを超越して純粋にメタルバンドとしてクールでカッコイイです。今一番日本でライブをやってほしいバンドです。

by カエレバ

 

BAND-MAID – Thrill

日本からはメイドさんスタイルの女性ハードロックバンドをご紹介します。日本では実力はあってもヴィジュアルで話題性を作らないとなかなか聴いてもらえないというのは最近の音楽業界の残念な部分でもありますが、見た目に反して若い女性バンドながら、サウンドはなかなかのパンチ力があります。

by カエレバ

 

Aldious – Go away

メイドさんの対抗馬はキャバ嬢ということで、Aldiousは日本の女性メタルバンドでもトップクラスの実力を誇るバンドです。ギンギンのギターを中心にしたストレートなメタルサウンドにNO嬢の伸びのあるヴォーカルが女心を熱く歌い上げるというメタル版西野カナといったスタイルのバンドです。現在の日本を象徴するようにメタル界隈も女性が元気なようですね。

by カエレバ

 

妖精帝國 – Astral Dogma

最近はアニメやゲームにもよくメタルの楽曲が使われるようになりました。ファンタジックな世界観という部分でアニメとメタルは親和性が高いのかもしれません。そういう接点からこういうスタイルのメタルバンドが出てくるのはいかにも日本らしいところです。

年齢325歳以上の妖精ゆいさんのキュートなボーカルと本物志向のゴリゴリのメタルは世界中のメタルバンドの中でもちょっと珍しいサウンドで、もっと評価されてもいいバンドだと思います。

by カエレバ

 

陰陽座 – 愛する者よ、死に候え

この陰陽座も独特の世界観でアニメなどに楽曲提供しているメタルバンドです。純和風のビジュアルだけでなく、歌詞も全て日本語と徹底しています。歌のお姉さんチックなボーカル黒猫さんの絶対的歌唱力とオールドスタイルのメタルサウンドがかっこいいです。

by カエレバ

 

BABYMETAL – KARATE

最近何かと話題のBABY METALは、アイドルとダンスとメタルというコンセプトで世界的にブレイク中です。ヘヴィメタルは世界各国で地域の文化や民族性を取り込みながら日々変化しています。アメリカであればラップやテクノサウンド、北欧ではケルトの民族音楽や宗教、イタリアではオペラと融合したりしています。

日本ではアイドルとメタルが融合してしまいました。水と油のような両者を融合させるというコロンブスの卵的発想がこれからメタル界にどんな風を吹き込むのか注目です。

by カエレバ

 

まとめ

私はヘヴィメタルは男の音楽だと思っていましたが、今やそんなことを言ってられないほどメタル界への女性の進出は目覚しく、これからも沢山のメタルヒロインが出てくることでしょう。

考えてみれば“ヘヴィメタル”というジャンル自体が曖昧で実体のないものなので、時代とともに様々なものを吸収し融合しながら常に変化してきた音楽ジャンルです。これからヘヴィメタルが様々なものと融合し変化しながらどんなものを生み出していくのか楽しみです。

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