へヴィメタルは比較的歴史の浅い音楽ジャンルではありますが、現存するバンドで結成50年近いキャリアを持つバンドもいます。さすがに結成時からのオリジナルメンバーで続いているバンドは少ないですが、メタル一筋に歴史を重ねてきたバンドには、重みや風格が漂っています。今回はそんなバンドの“いぶし銀のオヤジ”たちをご紹介します。
ちょいワルおやじメタルバンド5選
ACCCEPT(1968~)
ジャーマンメタルの雄アクセプトは、1968年から活動している正統派メタルバンドで、オーソドックスなメタルサウンドはいつ聴いても「あぁ俺が好きになったへヴィメタルってこれだったよな」と原点に立ち返らせてくれます。バンド自体は数度の解散再結成を繰り返しバンドメンバーを変えながら現在も活動しています。昔からそうですが、このバンドはバックのメンバーも含めて皆楽しそうに演奏していてかっこいい年の取り方をしていて羨ましいです。
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Motörhead(1975~)
シンプルな楽曲ながらハードで疾走感のあるサウンドで唯一無二の存在感を放ってきたモーターヘッドですが、2015年12月28日にバンドの中心的存在であったレミー・キルミスターが亡くなってしまいました。髭面長髪で不愛想なコワ面と特徴的なダミ声、最後までそのスタイルを貫き通した本物のちょいワルおやじです。ご冥福をお祈りいたします。
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Metallica(1981~)
若い頃はスラッシュメタルバンドとしてブイブイ言わせていた彼らも、時代とともに音楽性を変化させながら、いつの間にかメタル界の重鎮的存在になりました。スピードはなくともへヴィさは年を追うごとに増していき研ぎ澄まされています。久しぶりに最近のメンバーの様子を見ましたが、ボーカルのジェイムズ・ヘットフィールドの老けぶりもさることながら、ドラムのラーズ・ウルリッヒのハゲっぷりに時の流れの残酷さを感じました。
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ANTHRAX(1981~)
メタリカとともに80年代のスラッシュメタルブームを牽引していた彼らもメンバーを変えながら、現在も精力的に活動しています。久しぶりに初期の楽曲など聴いてみましたが、まったく古臭さを感じないところに時代に迎合しない彼らの天才的なセンスを感じます。
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SLAYER(1981~)
SLAYERもスラッシュメタルバンドとして1981年にデビューしたスラッシュ四天王の一角ですが、メタリカやアンスラックスが音楽性を変化させていったのに対し、彼らは昔とスタイルを変えずにスラッシュメタルをやり続けています。現代ではスラッシュメタルはもう完全にスレイヤーの独壇場といってもいいぐらいです。どの時代のアルバムを聴いても曲が金太郎飴状態ですが、そこがまた清々しくもあり、ボーカルのトム・アラヤは長年のヘッドバンギングのしすぎで首を痛めて満足に頭を振ることができなくなってもやっぱりスレイヤーは最高です。動画も相変わらずの残虐ぶりで、ちょいワルレベルではないので視聴の際にはご注意ください。
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まとめ
個人的嗜好で今回はスラッシュメタル寄りのラインナップとなりましたが、いずれのバンドも40年以上のキャリアです。彼らに共通するのは年を追うごとに丸くなるのではなく、へヴィネスでエッジの立ったサウンドになっているということです。
先にも書いたように、へヴィメタルは比較的歴史の浅い音楽ジャンルです。偉大なる先人もお手本になる先輩もいないところで長い年月をかけ、何度も何度も演奏していく中で余計なものを削ぎ落としながら、バンドサウンドを熟成させていった彼らの姿こそがへヴィメタルの到達点なのかもしれません。
まさか私も10代の頃にへヴィメタルを聴き始めて以来、おっさんになってもまだ聴いているとは予想もしていませんでしたが、ここまできたら還暦を過ぎても聴いているだろうし、葬式ではデスメタルを流してくれと遺言しようと思っています。さらに数十年後、彼らの音楽がどうなっているのかとても楽しみです。
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