DIR EN GREY(ディル・アン・グレイ)は、いわゆるヴィジュアル系バンドとして1999年にメジャーデビューしました。1999年頃は80年代の華やかなヴィジュアル系ブームも大分下火になっていましたが、DIR EN GREYの登場は現在へと続くヴィジュアル系メタルバンドブームに大きな影響を与える事となりました。
今回は、現在の日本メタルシーンを語る上で欠かせない存在でもあるDIR EN GREYをご紹介します。なお最初に断っておきますが、彼らのMVはかなり表現が過激なので、エログロが苦手な方はご注意ください。
ヴィジュアル系の向こう側へと到達した唯一無二のバンド
彼らのデビュー時はX JAPANのYOSHIKIがプロデュースする正統派?のヴィジュアル系バンドでした。初期のMVなどを観ると80年代のヴィジュアル系の流れを感じさせるファッションと音楽スタイルでした。
当時はラルク・アン・シェルがメジャーシーンでブイブイ言わせていた時期でヴィジュアル系というジャンルが世間にも広く認知されていました。彼らも同じヴィジュアル系でありながらもどちらかといえば地味な印象でした。
THE FINAL[2004]
しかし、彼らへの評価は作品を発表する毎に徐々に変化していくことになります。当初のヴィジュアル系な楽曲がハードで重々しく、今でこそ当たり前になったデスヴォイスを多用したデスコアサウンドに人間の業を深くえぐり出すかのようなダークな歌詩という独自の世界観を構築していきます。
ステージでのパフォーマンスもヴォーカル京の狂気を孕んだ鬼気迫るようなパフォーマンスが話題となり、ヴィジュアル系のみならずメタル系のコアなファンをも獲得していくようになります。
Vinushka[2008]
残酷で美しき世界観
人間を被る [2018]
彼らのMVはかなり過激で規制のかかるものが多くメジャーデビューしているバンドとはとても思えないほどの過激さですが、これはメタルバンド特有の暴力的な奇をてらった過激さではなく、どこか哲学的ですらあり文学的なメッセージ性を持った表現に私は美しさを感じています。
通算10枚目となる彼らのアルバムが2018年9月に発売となりました。先行してYoutubeにアップされた新曲「Ranunculus」は、彼らの美学の集大成とも言える美しく残酷な世界を表現した珠玉の一作となっています。
Ranunculus[2018]
まとめ
DIR EN GREYは、ヴィジュアル系のブームが下火となりつつあった時期にデビューし独自の世界観を追求しながら活動を続け、20年の歳月をかけヴィジュアル系の向こう側へと到達したバンドです。
彼らの音楽はヘヴィメタルというジャンルの中でも特異なもので、日本のみならず世界中にも彼らの音楽に魅了されたファンがいます。今やジャパンメタルの代表格となった彼らのサウンドを是非多くの人に聴いてもらいたいと思っています。
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