ヴィジュアル系メタルバンド特集

プロフェッサー目樽ヘヴィメタ

プロフェッサー目樽

ヘヴィーメタルには国や地域によって様々なジャンルやスタイルがあります。アメリカやヨーロッパ、北欧メタルなどでその国の文化や民族、宗教などを背景にしたスタイルが見られますが、日本においても独特のメタルスタイルが存在しています。

その中の一つが“ヴィジュアル系”と呼ばれるもので、ど派手なメイクとファッション独特の歌いまわしというスタイルは、私の記憶では30年ぐらい前から目にするようになってきたものです。

当時の所謂インディーズバンドがグラムロックやLAメタル、パンクなどのヴィジュアルを取り込みながら、とにかく目立つために髪を逆立てメイクをしギラギラの衣装を着てステージに立つようになりました。そんな中からカリスマ的な人気を誇るいくつかのインディーズバンド(DEAD END・GUSTANK・The Willardなど)が出てくるようになり。そのバンドの影響を受けた人たちがメジャーデビューしてやがてヴィジュアル系と呼ばれるようになりました。

ヴィジュアル系にもいくつかの系統があるのですが、今回はメタルよりのヴィジュアル系バンドをご紹介します。

ヴィジュアルだけではない実力派メタルバンド

NOCTURNAL BLOODLUST – PROVIDENCE

NOCTURNAL BLOODLUSTはアメリカ的なデスコアをベースに様々な要素をミックスさせたサウンドが特長です。見た目の派手さだけでなく重厚でスピーディーな楽曲はしっかりとした実力に裏打ちされたものです。クリーンヴォイスとデスヴォイスを織り交ぜたメタルサウンドはとってもスタイリッシュでこれはただならぬバンドです。

by カエレバ

 

Deviloof – Ruin

私が学生の頃には唸っているだけで何歌っているのか分からないバンドは“ハードコア”と呼ばれていました。狭い小さなライブハウスでアンダーグラウンドに活動しており、長髪でヒゲ面の太ったコワモテの人たちの多いイメージでした。デスメタル隆盛の昨今では、ハードコアメタルにもヴィジュアル系の波が押し寄せているようです。

Deviloofはご覧の通り見た目はヴィジュアル系なのですが、サウンドはゴリゴリのデスコアです。若いバンドですがこのスタイルを貫きつつ、どのような進化を遂げていくのかも注目です。

by カエレバ

 

DIMLIM – アハレワタ

こういうのは猟奇ヴィジュアル系とでもいうのでしょうか。サウンドはDjentギターと独特のデスヴォイスにヴィジュアル系メタル特有の変則的な曲展開となかなか面白いサウンドです。これから注目のバンドです。

by カエレバ

 

シュヴァルツカイン – Moment glow

シュヴァルツカインはヴィジュアル系とはどのようなものか?という問いの答えが詰まっているバンドです。多様化・細分化していくヴィジュアル系の中で初期ヴィジュアル系を思い起こさせるちょっと懐かしい雰囲気を持っています。海外にも派手なファッションやメイクをしたメタルバンドは多くいますが、日本のヴィジュアル系と比べるとちょっと指向性が違うというかヴィジュアル系はかなり特殊な日本人の美的感覚やセンス、民族性を反映したものであるということを感じさせます。

by カエレバ

 

DISREIGN – WITHIN THE VOID

最初にこのバンドのMVを見た時、ヴィジュアルのあまりの美しさにCGで作られたキャラクターかと思いましたが調べてみると、スウェーデン人が日本のヴィジュアル系にインスパイアされて結成したバンドということで、日本人離れしたルックスにも納得がいきました。スウェーデンといえば、スウェディッシュPOPやスウェディッシュメタルなど音楽先進国として有名ですが、そのスウェーデンにも影響を与えてしまう日本のヴィジュアル系の持つインパクトは強烈で世界にも通用するということが分かります。

by カエレバ

 

 

DIR EN GREY – 詩踏み (Promotion Edit Ver.)

DIR EN GREYは、デビュー当初はどちらかというと地味な存在でしたが、最近のヴィジュアル系メタルシーンに多大な影響を与えているバンドではないかと思います。長い活動の中で試行錯誤しながら、独自のメタルサウンドを追求し続け“ヴィジュアル系の向こう側”へと到達した唯一無二のバンドではないかと私は思っています。

by カエレバ

 

VAMPS – ‘CALLING’

誰がなんと言おうが本人がどう思っていようが、現在ヴィジュアル系の頂点に立ちシーンを牽引しているのはHYDEであることは間違いありません。これは下のアルバム売り上げランキングを見ても間違いない事実です。私よりも一つ年上のHYDE先輩ですが、20数年前にインディーズ時代のラルクアンシエルを音楽雑誌で見てhydeの美しさに衝撃を受けて以来ずっと注目してきました。

L’Arc〜en〜Cielとしての活動だけでなくVAMPSとしても精力的に活動していて私はどちらかというとハードなサウンド主体のVAMPSが個人的に好きですが、ラルクとしても頑張って欲しいところでもあります。是非これからも50代、60代、70代のヴィジュアル系のあるべき姿を提示し続けてほしいと思います。

by カエレバ

 

まとめ

ヴィジュアル系というカテゴリーはちょっと特殊なところがあって、何となくチャラチャラした見た目だけの人たちというイメージもあるのではないかと思います。私も多くのヴィジュアル系バンドを見てきましたが、結局は格好だけのバンドは淘汰され実力のあるバンドだけが生き残っていく厳しい世界でもあります。

世界の音楽シーンを見ても日本のヴィジュアル系の特殊さは際立っています。この独特さは、歌舞伎や宝塚、ホストクラブやアニメのような日本人特有のセンスや文化・美意識から生み出されたものなのかもしれません。

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