似顔絵氏という仕事

アイデア&ヒント

先日、似顔絵氏の女性とお仕事をした際に、僕もイラストレーターのはしくれとして興味があったので色々とお話を聞いてみました。そのことについて感じたことを書きます。

似顔絵氏とは

似顔絵氏とは、人から依頼を受けてその人もしくは家族、場合によってはペットの絵を描くお仕事を生業とするイラストレーターさんです。似顔絵氏には、ネット上や口コミなどで依頼を受けて描く人とイベントやショッピングモールなどの露店で道行く人から依頼を受けて描く人がいます。

ネットのみで活動している人は主に主婦や副業として似顔絵氏をされている方が多く、専業として活動している似顔絵氏はイベントなどを中心に活動しているようで、トップクラスの方になると、月の半分以上は日本各地のイベントを飛び回り結構稼いでいる方もいるようです。

今回お話させていただいた方は、北海道では結構有名な女性の似顔絵氏でこれ一本で生活されている実力派です。

似顔絵氏の仕事は、お客さんが目の前に座ってからが勝負なのですが、露店なので掛けられる時間は最大でも20分程度、それ以上かかれば、描かれているお客さんが焦れてくる上に、後のお客さんも待たせてしまいます。

短い時間の中でその人の特徴を掴み、尚かつお客さんが満足するような絵に仕上げる技術が必要とされるので、集中力は欠かせないのですが、黙々と描いているとお客さんが緊張してしまうので常に笑顔で話しかけながらも手は動かすという、かなり難易度の高いことをしなければなりません。

似顔絵のむずかしさ

僕も趣味で似顔絵を描きますが、似顔絵はとっても描きやすい人ととっても描きにくい人がいます。パッと見た瞬間に特徴が目に付く人は描きやすいのですが、一番やっかいなのが〝整った顔〟の人です。いわゆる美男美女という人達はこれといった特徴もないので絵で表現すると当たり障りのないイラストになってしまいがちです。変に特徴を付けてしまうと美男美女ではなくなってしまったりするのでかなり悩まされます。

今回、似顔絵氏の話で印象的だったのが〝特徴をあえて描かない〟というものでした。例えば耳の大きい人や鼻の大きい人、丸顔の人などともすれば似せるためにそこを誇張してしまいがちな所が本人にとってはものすごくコンプレックスだったり気に入ってない部分だったりする事もあるわけです。そこを控えめにしてちょっと可愛らしく仕上げてあげることで、お客さんを喜ばせる訳です。見ていると、結構いい年をしたおじさんでも可愛く描かれても悪い気はしないようで、普段可愛くないおっさんばっかり描いてる僕は目からウロコでした。

似顔絵氏になるには

似顔絵氏は、僕の目指すフリーランスのイラストレーターと同じカテゴリーの仕事です。かといって、似顔絵が描ければ誰でもできる仕事なのかといえば、そうでもありません。似顔絵氏はお客さんと対面で仕事をしなければならないので何よりもコミュニケーションスキルが必要になります。さらには短時間で絵を仕上げるスピード、似顔絵なので似せることは当たり前ですが、そこにちょっとしたデフォルメを加えてお客さんが喜ぶような味付けができること、そして継続してイベントに呼んでもらえる営業力がなければ仕事のフィールドを広げることはできません。

僕はてっきり似顔絵氏のプロダクションのようなものに所属して、そこからイベントに派遣されるシステムなのかなと思っていましたが、そうではなく、あくまでフリーランスとして口コミや紹介でクライアントを開拓しているということでした。大阪や東京のような大都市に比べて北海道は似顔絵氏の競合も少ないらしいので、似顔絵が描ける人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

人に勧めてないでお前がやれよという突っ込みもありそうですが、僕はパソコンでマウス描きのスタイルで、ラフやイタズラ書きぐらいしかイラストを手描きしなくなってしまったのでちょっと無理だと思うのと、コミュ障なのでお客さんと対面で絵を描くのはかなりハードルが高いです。「似てねぇよ!」と面と向かって言われたりとかしたらかなり凹んでしまうだろうし…。

とはいえ、今回は似顔絵氏というフリーランスのイラストレーターの話が聞けたことはとても参考になりました。僕は〝副業〟が付く自称イラストレーターであって、まだ何者でもありませんが、早く自分のイラスト一本で勝負していけるようになりたいです。

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