音楽ジャンルの中でも「ヘヴィメタル」という名前はなかなか秀逸で、極限まで歪ませたギター音や地鳴りのようなドラムが重金属をイメージさせるということではないかと思うのですが、サウンドやビジュアルだけでなく、アルバムジャケットのアートワークもヘヴィメタルでは世界観を表現するうえでとても重要な要素のひとつです。今回はそんな中からかっこいいヘヴィメタルアルバムジャケットをいくつかご紹介します。
くっそかっこいいヘヴィメタルのアルバムジャケット10選
名前を聞いただけではどんな曲をやっているのかよくわからないことの多いヘヴィメタルでは、アルバムジャケットがバンドの世界観を知るためのポイントになります。
Fleshgod Apocalypse[MAFIA]
Fleshgod Apocalypseはイタリアのデスメタルバンドです。荘厳でシンフォニックな曲調と恐るべき早さで紡ぎ出される曲の数々、これを譜面に起こしたら真っ黒になるんじゃないだろうかというほどの音密度です。
このバンドはイタリアだからなのかどうかはよくわかりませんが、オーケストラやオペラがやたらフィーチャーされています。ジャケットのアートワークもファンタージー系のものが多く、特にこのいかにもというアルバムジャケットはメタルバンドじゃなければ絶対採用されないだろうという感じが大好きです。
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MASTDON[LEVIATHAN]
一枚目が巨大ダコだったのでそれに対抗して白鯨で、というわけではありませんが、アメリカのメタルバンドMASTDONは、名前からして巨大生物フェチなのかよくわかりませんが、アルバムジャケットに空想生物モチーフがよく登場します。サウンドも壮大な雰囲気の曲が多く、欧州メタルの香りもする骨太で男臭いメタルバンドです。
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OUROBOROS[Glorification OF A MYTH]
ヘビが苦手な人には申し訳ありませんが、OUROBOROSはオーストラリアのデスメタルバンドです。新しいバンドみたいであまり情報もありませんが、サウンドはオーソドックスな構成ながら、キレもよくボーカルの声が好きで最近よく聴いています。こういうリアルタッチイラストのアルバムジャケットは昔はよく見かけましたが、最近はあまり見かけないような気がします。これもメタルバンドならではのモチーフですね。
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ALLEGAEON[ELEMENTS OF THE INFINITE]
ヘビに続きまして虫です。ALLEGAEONはアメリカのデスメタルバンドでとにかくテクニカルなバンドです。私は下品なグロはダメだけど上品なグロはOKというよくわからない基準がありボーダーラインになるのははおそらくこのあたりではないかと思います。
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BLOODSHOT DAWN[DEMONS]
イギリスのデスメタルバンドBLOODSHOT DAWNは、テクニカル&ハイスピードなサウンドで、垢抜けた雰囲気が格好いいバンドです。オサレなアートワークも厨二病の心をくすぐる巨大生命体がモチーフのジャケットで、テクノ系のアルバムジャケットとしても通用しそうです。
UNEARTH[The Swarm]
UNEARTHはアメリカのメタルコアバンドで、欧州の香りを感じさせるメロディアスで疾走感のあるサウンドが心地よいバンドです。ジャケットではファイナルファンタジーのラスボスの第二形態みたいなのが杖から石化魔法を照射してますけど、メタルコア系バンドのアートワークはこういう〝よくわからないシチュエーションをアーティスティックに描く〟のがトレンドですね。
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Trivium[Silence In The Snow]
アメリカのヘヴィメタルバンドTriviumは、洗練されたサウンドのイケイケの若手バンドです。メタルバンドのアルバムジャケットといえば高密度でおどろおどろしいものが多いですが、まるでAppleの広告を思わせる清々しいほどのシンプルデザインが今風です。それでもドクロ鬼面モチーフなところにメタル魂を感じます。
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Gorgoroth[Quantos Possunt ad Satanitatem Trahunt]
シンプルメタルジャケットの傑作といえばコレ。Gorgorothはノルウェーの悪名高きブラックメタルバンドです。地の底から聞こえてくるような抑揚のないサウンドと念仏のようなヴォーカル、どれも同じに聞こえる曲構成、とりあえず黒地にドクロ描けばいいでしょ的なアートワークなど、一見すると手抜きっぽいけど〝デスメタル〟を完璧に表現している傑作です。このアルバムは曲もアートワークもとにかくかっこよくて大好きなアルバムです。
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IRON MAIDEN[THE BOOK OF SOULS]
メタルアルバムのアートワークを語る上で外すことのできない存在がこのIRON MAIDENです。通称エディと呼ばれるゾンビがモチーフのキャラクターは、アルバムだけでなくステージやMVにも登場するなど、バンドの顔でもあります。似たようなイメージを持たれてしまうヘヴィメタルバンドにとってマスコットキャラクターを認知してもらうということは、他バンドとの差別化をする上でとても重要な意味があります。〝ゆるキャラ〟ならぬ〝こわキャラ〟といったところでしょう。
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まとめ
僕が若い頃は近所のレンタルレコード店に行きメタルコーナーのレコードを漁り、かっこいいジャケットのレコードがあれば片っ端からレンタルしていました。ヘヴィーメタルの情報などほとんどない時代だったので実際にレコードを聴くと思っていたのと違っていたり思わぬ掘り出し物に出会えたりしました。そんなことを繰り返すうちにメタルアルバムのジャケットを見るだけでサウンドが何となくイメージできるメタルセンスが培われてきました。
最近はYouTubeで世界中のメタルバンドの動画を聴いていますが、動画を選ぶ基準は今でもサムネイルのジャケット写真だったりするので、アルバムジャケットがヘヴィメタルバンド選びの大事な要素であることは今も変わらないようです。
今回ご紹介した以外にもくっそかっこいいアートワークのジャケットや面白いジャケットもまだまだたくさんありますので、またの機会にご紹介します。
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