ニール・ブロムカンプ監督の新作SF「RAKKA」にみる新しい映画の形

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以前より話題になっていた南アフリカの映画監督ニール・ブロムカンプの新作映画を観ました。ニール監督といえば「第9地区」や「チャッピー」など、CGを駆使したハードな世界観のSF映画を得意としていて、僕も大好きな映像作家の一人です。

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今回公開された新作映画は、YoutubeとSteamをプラットフォームとする実験的なビジネスモデルでもあります。無料で観られるYoutubeで作品の第一話を公開して、続編を観たい人は有料でコンテンツを買ってもらうことでマネタイズしていくという新しい試みで巨額な映画制作費をどのように賄うのか非常に注目されるところです。

異星人侵略映画「RAKKA」

この映画は、宇宙人が侵略してきて人類を植民地化し蹂躙するという、SFとしては手垢の付いたようなストーリーではありますが、南アフリカという人種や政治の問題の複雑な国出身のニール・ブロムカンプ監督のシニカルな感性によって、どのようなストーリー展開になっていくのか気になる作品です。

観終わってから気づいたのですが、映画エイリアンのリプリー役をやっていたシガニー・ウィーバーなど意外に大御所の役者さんを起用しているところにも単なる動画ではなく映画作品としての本気度が見て取れます。

「Oats Studios – Volume 1」というプロジェクトは、それぞれの作品の第1話を無料で公開し、Steamでコンセプトアートやサントラなどのダウンロードコンテンツを販売(500円ぐらい)するという仕組みになっています。僕も買ってみましたが、膨大な作品資料は映画館で買うパンフレットよりも見応えはありました。

ただそれだけで制作費用を賄うのは難しいだろうと思います。第2話以降から有料化するのかどうかはまだはっきりしていませんが、ちゃんと儲かるシステムになれば、これからの映画公開の形も大きく変わっていくのではないでしょうか。

これまでいくつか公開された作品があり、それぞれの作品の第1話をYoutubeのOtas Stadiosチャンネルで観ることができます。一応日本語字幕付きですが表示速度が早いのと日本語訳が分かりにくい部分があります。

まとめ

僕の子供の頃は、映画は映画館で観るものでした。やがてビデオの普及とともに映画をテレビで観るようになり、インターネットの普及によってパソコンで映画を観るという時代になりました。映画館の大きなスクリーンや大音響で観る映画もいいのですが、一回観るためのコストが割高すぎます。テレビであろうとPCであろうと作品自体は変わらないので、どのように映画作品を発表していくのかどのようにマネタイズするのかという試行錯誤はこれからも続いて行くのでしょう。

映画に限らず、既存のメディアを使った作品発表の形は大きく変化してきています。インターネットという新しいインフラを使った作品発表とクリエイター側のマネジメント力が試されている時代なのかもしれません。

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